私は可笑しくて仕方がなかった。閑人氏、よほど前回のことが無念であったのだろう。
オールを忘れたおかげで初出船が出来なかったのだから、今回はリベンジである。
いても立ってもいられなかったのだろう。この気持ちは同じ釣り師として、よく分かる。
私は出船し、閑人氏のいる「中の浜とあらら浜の間の磯前」へ近づいていった。
彼はどうも早朝からいるようである。
私のように寝坊釣り師ではなく、昨晩愛知県を発ち、車の中で仮眠しての釣りなのだ。
「どうですかあ。」
と、声を掛けた。
閑人氏の目が笑っている。
前回はひどく元気がなかったのに、今日はまるで様子が違う。
「いやあ、自慢するわけじゃないんですがね。」
ボート釣りの私(閑人氏撮影) |
この日の私の釣果(20cm級1部リリース) |
年なし含む閑人氏のこの日の釣果(佐渡氏撮影) |
閑人氏と年なし(渋いやないかあ!) |
と、いいながら彼はスカリをたぐり上げた。
その中には53cmの年なしと、40cm級が2枚、所狭しと入っていた。
どひゃー!である。
まさかと思っていた。
40cm級はまだしも、年なしを釣ってしまうとは。
ここを開拓した私でさえ、まだ年なしを釣っていないのに。
私は慌てた。「してやられた。」という感じである。
別に慌てても年なしが釣れるわけではないのだが、どうも分が悪い。
この日の私の釣行記を下に記そう。
8/26(日)晴れのち曇り 小潮
奈屋浦。着いたら閑人氏、すでに53cmと40オーバー2枚釣っている。
やられたと思い、ひとつ手前のブィにボートを掛ける。
11:30〜16:00。
12時ごろ30cm級。その後24cm。あと41cm。
30〜35cm5枚。21〜24cm3枚。計9枚。
食いがたったのは2時ごろまでで、3時半に最後の一尾を釣るまで、ボラに翻弄された。
ボラ、キュウセン、アジ。マス。
ハリ5〜7号。エサはほとんどオキアミ。閑人氏も同じ。
閑人氏53、42.5,41cm。他は30cmと20cm級3枚の計6枚。
台船護岸には、午後から佐渡氏と中北氏が現れ、紀州釣りをしていた。
閑人氏は3時頃上がっていった。
佐渡氏が釣果の写真を撮ってくれたようである。
しかし、やはり年なしはいい。堂々たるものである。
なんで私には釣れないのであろう。
7月からこの方10連続以上ボーズなしで、しかも殆ど毎回40cmオーバを仕留めているというのに、肝心要の年なしが釣れない。
最大でも48cmだというのに。
ああ、うらやましい。
閑人氏は、
「いやあ、前回オールを忘れたのがよかったのですよ。」
と、いいながら満面喜悦である。
さぞかし今夜のビールが美味いことだろう。
台船護岸で紀州釣りをしていた、佐渡、中北両氏は残念ながら坊主に終わった。