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7月1日。こんどはあらら浜へ漕ぎ出した。
前回の型が46cmと不満だったからである。
やはり、昨年57cmの食ったポイントへ行きたかった。
50オーバー、いや60オーバーへと欲はつきない。

奈屋浦へ着いたら、すでに3時を回っていた。
あらら浜へ舳先を向ける。
普通なら、前回相当の釣果があったのだから、そのポイントで釣るべきなのだろう。
しかし、私はあえてその場所を通り過ぎ、あくまで年なしにこだわった。

ポイントに着くと、真珠ブィの数が減少しているのに気がついた。
あまり良い傾向ではない。
だが、気にせずに釣り始める。
最初から魚探のフイッシュアラームは反応しており、小魚がいるようだ。
キスが釣れる。ベラが食ってくる。クエマスの子が、大口を空けて釣り上がってくる。

奈屋浦


しかし、年なしの気配はしない。
やっとまともな手応えがあったと思ったら、30cm弱のマダイだった。

結局年なしには巡りあえず、黄昏時に納竿した。
何気なく、真珠ブィに目をやると、真珠貝がぶら下がっていない。
今年はブィだけで業者はまだ貝を吊していないようである。
これでは、チヌのいる道理はない。
帰りに、前回の46cmポイントに寄ったら、真珠貝はきちんと存在していた。
次回はやはり、ここに来ようと思った。

しかし、ボート釣りは楽しい。
自分だけのポイントを作り出すことが出来るし、それは無数にある。
誰も競争相手はいないし、大型に巡りあえる可能性が高い。
しかも、擦れていない、うぶなチヌなのだ。

誰かが言っていた、「マイポィント・勝手流」とはこのことなのだろう。


7月8日。今度は少し早く着いた。
早いと言っても、1時過ぎである。
あらら浜に見切りをつけ、左手に磯、右手に真珠ブィである。
磯にしても、ブィにしてもチヌの生息条件が、両側に揃っている。

1時半に釣り始め、最初にキス、キュウセン、と前回ここに来たときと、全く同じ展開である。こうなると1時間後には食うはずだ。
前回と違ったことは、潮の流れが湾口から岸に向かって速く流れているので、ダンゴ崩壊後はウキが大きく流されてしまう点だ。
妙なことに引き潮なのに岸に向かって流れていく。
流れが速いのでウキが遠くに行ってしまい、効率が悪い。
こんな時は、大きなオモリを付けた、ブッコミの筏竿で釣った方がいいかも知れない。
2時半になってもチヌのアタリはない。
3時が過ぎた。今日は駄目かも知れない。
そう思ったとき、潮が変わり、ゆっくりと左に流れ始めた。
その時である。ウキが段階的に沈み、また浮き上がり、そのあとゆっくり沈んでいく。

小気味良い引き、乗っている。3歳魚の手応えだ。だが、このようなときでも年なしのことはある。
真剣に対処する。しかし、上がってきたのは30cmに満たない小チヌだった。

「なんだこりゃ、小さいじゃないか。」と思わず独り言を言い、釣り続ける。
今日は小チヌで終わるか。

3時30分、同じようなアタリがまた出ている。少し早いと思ったが合わせを入れる。
同じような引き、しかし、上がってきたのは46cmだった。

この日の釣果

上唇に掛かっていて危うい。もう少し合わせを遅くするべきだ。
10分後またアタリ、小チヌである。どうも地合いが集中している感がある。
しばらくするとボラアタリが出始めた。ダンゴをつついている。
ついに、寄せてしまったかと、いい加減で合わせてやると、ボラのウロコが掛かってくる。
しかし、本当にボラなのか。
正体を見ないことには、得心しない。

すこし大きなアタリがでたので、合わせると乗ったようである。しばらく海底を泳いでいたが、ハリハズレしてしまった。

しかけを上げてきて仰天した。なんとチヌのウロコではないか。しかも、とてつもなく大きい。
私は何を思ったか、それを海中に投げ入れてしまった。沈んでいくウロコを眺めつつ、ああ、残しておけばよかったと後悔した。ウロコを残しておけば、そのひだの数から年齢が分かるのに。
ちなみに前回の46cmは5歳だった。
昨年の57cmは2枚ともそのひだは重なりすぎていて、数えられなかった。
それこそ、年なしであろう。

私は釣りをしながら、海底の様子を想像して、頭に思い描いてみるのが、この上なく好きである。
おそらく、ボラがダンゴをつついているとき、すぐ隣にこのウロコの持ち主の年なしがいたのであろう。
私が合わせたとき、そのハリはボラの口には掛からず、横にいた年なしの胸の辺りに引っかかったに違いない。

そのウロコはチヌの胸のウロコだった。正五角形に似た形のでかいウロコだった。

その後真剣になり、打ち返し続け、掛け合わせると、やはりボラである。
まるで小フグのような弱々しい抵抗だったが、中層より上がると猛烈な引きである。
年なしは警戒したのか、ダンゴ崩壊後のアタリが途絶えてしまった。
追い打ちダンゴも、効を成さない。

結局撒き餌もなくなり、5時に納竿した。
こんどこそ、年なしだ。


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釣行記4に続く