何度も言うが、今年の釣りはひどいものである

吉津港
咲いていた椿

こんな年は今までで初めてだ。
我が釣り人生で最大の汚点を残しそうだ。
これだけ釣れないと、だんだん釣り場へも足が遠のいてくる。
今年はいつもの年になく、年度当初から釣りに出かけたのが、期待のノッコミは釣れず、盛期にも駄目だったのでそれも仕方がない。

そうはいうものの、最後に一発逆転で年なしでも釣り上げなければ気がすまない。

寒くなったのでボートを出す気はしなかったので、今年2月に大型チヌの魚影を確認した吉津港へ行くことにした。
着いたら、正午だった。大体においてこの時期は水温の上がる夕方に地合があると思われるので、日の短い日でも朝早く行く気はしていない。

ダンゴには「グレドリップ」を混ぜ、集魚効果を考えた。こんなものは通常入れないのだが、一応食い渋りの冬季なので気を遣ったのである。

ハリスは1.5号、ハリは2号にした。これも冬季バージョンである。

最初から結構アタリが出て、ビンギスが食いついてきた。次はイソベラである。
暖かい日を選んで釣行するようにしているので、寒さはそれほど感じない。


2時をすこし回った頃。何気なく足下を見ると、一匹の真っ黒いチヌがテトラの間をうろうろしているではないか。
そいつはゆっくりとした動きで真上にいる私に頓着する様子は全くない。大きさは52cm位である。目測でも年なしであることは間違いない。

私は、はやる心を抑えながらハリスを2号に交換した。ハリは食い渋りを考えてそのまま2号にとどめた。ハリスを太くしたのは取り込み時に障害物の多い、テトラ帯に対応するためである。
ハリも大きくしようと思ったが、何、呑み込ませてしまえば問題ないとたがをくくった。(あとから考えればこのことが大きな過ちであった。)

年なしは明らかにダンゴの帯を意識している。だんだんと投入点に近寄っていく様子である。
やがて年なしはダンゴ投入点に向かって泳いでいき、その姿を深みへと消した。
エサはオキアミにしていたと記憶している。これほど心が騒いだことは最近にない。

着底と同時にダンゴは割れ、すぐにウキが浮き上がってきた。その直後ウキは強く引き込まれていく。

合わせた。
乗った。
強い引きである。紛れもなくあの年なしに違いない。まるで大型のボラのように重厚だ。
やった!読みは的中した。さあ、どう取り込もうか。と思った瞬間、軽くなった。

帰ってきたのは2号のハリだけであった。
どうも呑み込ませたのはいいが、ハリが小さすぎて口の中で立たず、すっぽ抜けてしまったらしい。

そんなわけで、年なしは逃げてしまった。
25日にリベンジを試みたが、彼はすでに視界になく、よそに行ってしまった。

私の本年度の釣りはやはりひどく、最悪の結果を残した。
悪いときには悪いことが重なるものである。

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