雑感

新年になった。しかも、新世紀である。
冬は寒くて釣りに行かないことが多い。釣れる所は筏ぐらいしかないのだろうが、早起きが苦手な私は昼からしか行けないだろう。

昼から行ったとしても、日が短いから、すぐに納竿時間を迎えてしまう。
でも、筏はコンロやバーナーを持っていって、鍋焼きうどんを楽しめたりしていいなあと思う。しかし、今更そんな道具を買う気もないし、用は面倒くさがり屋、根性もないのだ。

楽しかった釣りの思い出のヒトコマが、ふとよみがえってくるのが、この時期である。
それは、初夏の大江の早朝、餌の泥カニを追い回していたシーンであったり、豊漁の後夕焼けを綺麗だと感じた秋の浅浜であったり、ボートの上から、年なし目がけて必死に誘いをかけていた、昨年のあらら浜であったりする。

釣りは私にとって至福の時の積み重ねであったし、これからもそうに違いない。

この秋、贄浦前浜から、ボートで出て、真珠ブィに係留していざ釣らんとしていたら、いきなり漁師がやってきて、邪魔だから帰れと言われ、すごすごと退散したことがある。別にどうってことはないが、用はタイミングが悪かった。やはり、彼らのいるところへ行って、笑顔で許可を取るべきだったのだろう。

贄浦前浜
贄みそね浜


同じく贄のみそね浜で筏に係留して釣っていたが、フグだらけであった。晩秋のことで、既に北西風が強く吹いていて、手漕ぎのボートでは風にあおられて進んでいかない。どうしても近場になってしまい、程なく飽きてしまった。

私は釣り師の割には実に飽きっぽい。根気というものがないのである。はじめての場所で、2時間もアタリがなかったら、やめて別の場所へ鞍替えしたくなる。

アタリさえないのに、何時間も粘っているということは私にはあり得ない。

そのくせ、アタリさえあればそれがエサ取りの漁信であろうと、結構粘っている。

しかし、それでも釣れなかった場所は数知れない。
そんなところへは、2度と行っていない。

だが、ひょっとしたら、そこはその日は駄目だっただけで、別の日は大釣りの出来る場所かも知れない。

そんな場所も釣り場案内にUPすべきだろうか。

私は釣りの腕はどちらかというと下手だと思っている。大勢の人がいるところで、釣技を競い合ったりするのは性に合わないし、多人数で釣りに行くのもあまり好きではない。静かに一人で魚と対話したいと言うと聞こえがいいが、釣りぐらい静かにのんびりとやりたいのである。
だから、佐田浜のような人の多いところは金輪際ごめん被りたいし、遠投人の現れる堤防へは行かないことにしている。

私が開拓ばかりしている正直な本音だ。
開拓した場所のチヌはすれていないから、おもしろいほど簡単に挿し餌に食いつく。自分が釣られていることさえ気づかない位に、いとも簡単に上がってくる。

こんなことだから、いっこうに釣技は上達しない。
そのかわり、チヌの居るところを探り当てる眼力だけは、いつの間にかついてしまった。

外は相も変わらず寒そうだ。風がビュービューと音を立てて吹き荒れていて、おどろおどろしい。
水温も安定してきて、相差や白石湖の筏からは、チヌの便りが聞かれる。
それでも、私は腰を上げない。

寒いから。


早く春になれぱいいのに。

BACK
2001年釣行記へ
TOP