奈屋浦のメバルとガシ


5月4日。私にとって今年初めての釣りである。チヌばかり追いかけていないで、たまには他魚もどうだと同僚の誘いにより、メバルやガシ(カサゴ)を狙ってみることになった。

同行したのは中北氏と佐渡氏である。二人とも私のようにチヌ一辺倒ではない。特に中北氏は2月からグレ釣りに行っており、私や佐渡氏よりいち早く獲物を手中にしていた。

メバルやガシは少なくともチヌより高級魚である。両者とも煮付けにしたら、右に出る魚はいない。しかも市場では高価だ。別に食うために釣りに行った訳ではないが、チヌは今回見送ることにした。そういえば中北氏は4月末に54センチの見事な乗っ込みチヌを仕留めていたが。

例によって辻岡氏の船で奈屋浦から出航した。今回は彼の義弟さんも同行した。釣り場はすぐ近くでテトラの積まれた岩礁地帯である。

適当な場所に船を錨で固定し、下を覗くと、何とメバルの泳いでいるのが見える。

さっそく、餌をつけ、ウキもつけずに脈釣りを始めた。餌はシラセエビを使ったが、私は中北氏に命じられたブクブクセットを不覚にも忘れたので、あまり活きはよくない。

最初に竿を曲げたのは佐渡氏であった。25センチはあろうかという見事なメバルである。竿を入れてから、10分と経っていない。そのうち私や中北氏にも掛かりはじめ、私は30センチのメバル、彼らは30センチを越えるガシを釣り上げた。

ガシの当たり餌はサバの切り身であった。これは辻岡氏の用意してくれたものだが、我々の持っていった10センチもある活きイワシは大きすぎるのか、全く効を奏しなかった。
昼過ぎまでに三人で30尾以上も釣ったのだろうか。メバルもガシも全て25センチ以上の型揃いであほらしいぐらい笑いの止まらない日であった。

午後になると潮が澄みすぎてアタリが遠のいたので止めにした。後で中北氏の調べたことによるとガシの30センチは4000円、メバルのそれは3600円ぐらいするらしい。

家に帰ってから、早速煮付けにして食ったら、すばらしく美味だったことは言うまでもない。残った魚も内臓とウロコをとって冷凍しておき、時折出しては料理して思う存分楽しんだ。チヌなど釣ったら大抵人にあげてしまうが、これらの魚だけは何故か自分で食べたいと思うのである。

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